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米田 安宏
JSAP Review (Internet), 2023, p.230202_1 - 230202_7, 2023/00
強誘電体の高品位化においては、単相試料であるか否かを判別することが重要である。そこで、我々は不純物の検出に従来用いられているX線回折に加えて2体相関分布関数(PDF)を使うことによって微量な偏析相の検出法の開発を行った。BaTiO-BiFeO固溶体の場合、X線回折パターンでは菱面体晶構造単相でフィットすることができるため、試料は単相のように思われた。しかし、得られた回折パターンからPDFを算出すると、平均構造から計算される菱面体晶構造由来の成分だけでなく、BaTiOの成分が混入しており、偏析が起こっていることが判明した。このように通常のX線回折に加えてPDFを併用することでナノスケールオーダーの微小な偏析相の検出が可能になるため、試料の質に関する詳細な情報が得られる。
米田 安宏
応用物理, 91(12), p.729 - 735, 2022/12
強誘電体の高品位化においては、単相試料であるか否かを判別することが重要である。そこで、我々は不純物の検出に従来用いられているX線回折に加えて2体相関分布関数(PDF)を使うことによって微量な偏析相の検出法の開発を行った。BaTiO-BiFeO固溶体の場合、X線回折パターンでは菱面体晶構造単相でフィットすることができるため、試料は単相のように思われた。しかし、得られた回折パターンからPDFを算出すると、平均構造から計算される菱面体晶構造由来の成分だけでなく、BaTiOの成分が混入しており、偏析が起こっていることが判明した。このように通常のX線回折に加えてPDFを併用することでナノスケールオーダーの微小な偏析相の検出が可能になるため、試料の質に関する詳細な情報が得られる。
米田 安宏; Kim, S.*; 森 茂生*; 和田 智志*
Japanese Journal of Applied Physics, 61(SN), p.SN1022_1 - SN1022_10, 2022/11
被引用回数:1 パーセンタイル:17.38(Physics, Applied)(1-)BiFeO-BaTiO固溶体の局所構造解析を放射光高エネルギーX線回折実験で得られたデータをPDF解析することによって行った。まず、XAFS実験を行いサンプルスクリーニングを行ったところ、BiFeOリッチな組成での構造揺らぎが大きいことがわかった。そこでBiFeOリッチな組成のサンプルのPDF解析を行った。その結果、平均構造は立方晶構造であるものの局所構造は菱面体晶構造で再現でき、さらに揺らぎの大きな組成では菱面体晶の対称性を破る変位があることがわかった。
米田 安宏; 野口 祐二*
Japanese Journal of Applied Physics, 60(SF), p.SFFA08_1 - SFFA08_10, 2021/11
被引用回数:4 パーセンタイル:36.85(Physics, Applied)BiNaTiO(略称、BNT)は)は非鉛材料でありながら比較的大きな圧電特性を示すため、多くの研究が行われてきた。我々は化学量論的に正しい組成を持つ高品位BNTを用いて局所構造解析を行い、Bi/Naの局所的なオーダー構造を見出した。BNTは400Cで常誘電体相へと相転移するが、高温相において、新たなdisorder構造が高温相で出現すると考えた。そこで、高温相において、放射光高エネルギーX線を用いた2体相関分布関数(PDF)解析を行った。その結果、BNTは200CからBiがシフトし、このシフト量が相転移のオーダーパラメーターとなってることを見出した。
米田 安宏; 谷口 博基*; 野口 祐二*
Journal of Physics; Condensed Matter, 33(3), p.035401_1 - 035401_8, 2021/01
被引用回数:4 パーセンタイル:33.7(Physics, Condensed Matter)放射光高エネルギーX線回折実験を用いて、リラクサーPb(MgNb)O (PMN)のナノスケール構造解析を行った。PMNはよく知られたリラクサー強誘電体であるが、平均構造が立方晶構造であることから、強誘電性のミクロ構造を説明するために種々のモデルが提案されてきた。我々は2体相関分布関数法(pair distribution function, PDF)を使って20nmまでの広いレンジの局所構造解析を行った。
米田 安宏; 谷口 博基*; 北中 佑樹*; 野口 祐二*
Ferroelectrics, 538(1), p.57 - 62, 2019/05
被引用回数:5 パーセンタイル:27.39(Materials Science, Multidisciplinary)チタン酸鉛の高エネルギーX線回折実験を行った。回折データから2体相関分布関数(PDF)を用いて局所構造解析を行った。高温相の立方晶相では平均構造からのズレが確認された。平均構造から逸脱した鉛原子は周囲の鉛で独自のPb-O-Pbネットワーク構造を形成していることを示した。
米田 安宏; 尾原 幸治*; 永田 肇*
Japanese Journal of Applied Physics, 57(11S), p.11UB07_1 - 11UB07_6, 2018/11
被引用回数:15 パーセンタイル:59.6(Physics, Applied)非鉛圧電体材料の母相として期待されているニオブ酸カリウムの局所構造解析をX線二体相関分布関数法を用いて行った。広い温度領域で局所構造解析フィッティングを行った結果、ユニットセル以下の短距離構造は菱面体晶構造だけが、唯一実験的に得られたデータを再現できるモデルであることがわかった。この菱面体歪みは4つの相をまたいで維持されていることがわかった。
米田 安宏; 青柳 倫太郎*; Fu, D.*
Japanese Journal of Applied Physics, 55(10S), p.10TC04_1 - 10TC04_5, 2016/10
被引用回数:6 パーセンタイル:29.26(Physics, Applied)X線吸収微細構造(XAFS)と2体相関分布関数(PDF)を併用して、NaNbO及びLi置換したNaLiNbOの局所構造解析を行った。NaNbOは室温で反強誘電体として知られ、室温以下では反強誘電体の斜方晶と強誘電体の菱面体晶相が混在する温度領域が広く存在するため、相転移の全容は未だ明らかにはなっていない。我々は局所構造解析によって最低温相が菱面体晶構造であることを明らかにし、さらに秩序-無秩序型の相転移を仮定することでLi置換効果が理解できることがわかった。また、同様の現象がAgNbOにおいても観測されたため、これについても述べる。
米田 安宏
no journal, ,
原子力機構は大型放射光施設SPring-8の偏向電磁石ビームラインに型回折計を設置している。この回折計を利用した構造解析の一例として2体相関分布関数法(atomic pair-distribution function, PDF)の結晶試料への適用例を紹介する。また、原子力機構ではこの装置を特に原子力材料へ活用することを積極的に進めている。一例としてマイナーアクチノイド(MA)燃料模擬物質DyZrNの局所構造解析を紹介する。
米田 安宏
no journal, ,
放射光X線を用いた局所構造解析手法の一つである2体相関分布関数法に関する招待講演を行った。PDF解析は局所構造だけでなく、ナノスケールオーダーの中距離レンジ構造まで広く適用することができる。ドメインを介した物性発現機構を持つ強誘電体には必須の構造解析手法である。リラクサー強誘電体の構造解析では、平均構造からずれた鉛の構造がPDF解析によって可視化できることを示した。
米田 安宏; 谷口 博基*; 北中 佑樹*; 野口 祐二*
no journal, ,
チタン酸鉛(PbTiO)は室温において大きなc/a比を持つ正方晶構造である。490Cで常誘電体相へと相転移し、構造は立方晶へと変化する。しかしながら、常誘電体相への転移点直上では、中性子非弾性散乱によって依然として強誘電体のフォノンモードが観測されている。そこで、自発分極が反転可能な高品位の試料を用いて、高エネルギーX線回折実験を行い、室温から800Cまで広い温度領域で構造解析を行った。短距離秩序構造解析を原子2対分布関数(atomic pair-distribution function: PDF)を用いて行った。PbTiOの800Cで観察された局所構造とリラクサーPb(MgNb)O(PMN)の室温における局所構造を比較したところ、リラクサーPMNと同様のネットワーク構造がPbTiOの高温相でも存在していると考えられる。
米田 安宏; Fu, D.*
no journal, ,
タングステンブロンズ型構造の強誘電体、BaNbOのBaをCaで置換したCaBaNbO (CBN)では、Caの置換量が0.19 0.32の組成範囲で単相の正方晶相が出現する。CBNはセラミックスサンプルにおいても粉末X線回折パターンに超格子反射が現れる。平均構造には収まらない長周期構造が存在している。超格子反射は高温相においてもなお観測されていることから高温相においても構造解析を行った。高温相の平均構造は室温相の局所構造をよく反映していることがわかった。タングステンブロンズ特有のリエントラント相転移を反映した現象だと考えられる。
米田 安宏; 辻 卓也; 松村 大樹; 岡本 芳浩; 永井 崇之
no journal, ,
ガラス化技術を確立するためには、ガラスに分散したさまざまな物質がどのように存在するかを明らかにすることが重要である。金属を含むさまざまな物質を混合してSiO-BOガラスを主成分とする模擬ガラス物質を作製した。この模擬ガラス固化材料は、融点直上の600Cまで加熱され、放射光高エネルギーX線回折実験を行った。得られたX線回折プロファイルは、2体相関分布関数(PDF)を使用して局所構造を明らかにした。ガラス内のSiOのネットワーク構造が強いため、析出した微粒子がくさびになり、Si-O結合長が変調していると考えられる。
米田 安宏; 中田 謙吾*; 尾原 幸治*
no journal, ,
実空間フィットと逆モンテカルロ法(RMC)を同じ物質のデータを使って解析し、得られた結果を比較することで、それぞれの解析手法の特徴をつかもうとしている。今回は、その試みの一つとして行ったチタン酸バリウム(BaTiO)の結果について報告する。BaTiOはイオン性の高いBaと共有結合性の高いTiが入り混じっているため実空間フィットが非常に困難な物質の一つである。それぞれの解析手法で得られた構造パラメーターからいかに比較しうるデータを抽出するかについて議論した。
米田 安宏; 谷口 博基*; 野口 祐二*
no journal, ,
リラクサー強誘電体Pb(MgNbOは構造モデルが多く提案されている。我々は平均構造から得られるPb-Oの距離とX線吸収微細構造(XAFS)で得られるPb-Oの距離が異なることを示した。平均構造と局所構造のずれはPb原子の特徴的な環境に由来すると考えられることから、パイロクロア型のPbSnOにおけるPb原子と同様の振る舞いを仮定し、局所構造モデリングを試みた。2体相関分布関数(pair-distribution function: PDF)解析を行い、局所構造モデリングの結果、格子系の周期性とは異なるPb原子のネットワーク構造の存在が示唆された。
米田 安宏; Kim, S.*; 和田 智志*
no journal, ,
BiFeOとBaTiOで固溶体を作成するとBaTiO組成が0.3から0.7で室温でpseudo cubic相が現れる。Cubic構造でも強誘電性が失われているわけではないため、強誘電性の起源を解明するために2体相関分布関数を使った構造解析を行なった。これらの固溶体の局所構造はそれぞれのpure limitであるBiFeOとBaTiOに一致するが、BaTiO組成が0.3において固溶体特有の構造が現れた。
米田 安宏; 山田 大貴*
no journal, ,
放射光を利用した2体相関分布関数を利用した構造解析の研究とともに、大型放射光施設SPring-8の回折装置について紹介する。2体相関分布関数(atomic pair-distribution function: PDF)は、局所構造領域だけでなく、ナノスケールオーダーの中距離レンジ構造までカバーできることが特徴である。PDF解析を強誘電体に適用した例としてBiFeO-BaTiO-Bi(MgTi)O(BF-BT-BMT)の局所構造解析の結果を示す。平均構造の立方晶構造でフィットしたところ40以下で大きな残差が生じ、分極発現機構である格子ひずみの存在が明らかになった。